日本にいても英語圏に住んでいても、英語の勉強の仕方は変わりません。
英語圏で暮らしていても地道な努力は必須。日本で勉強していてもペラペラな人はいるので、学び方と努力次第です。
私自身も来豪してから会話ができるようになるまで、継続的に学習してきました。(継続中)
今回は、今までいろいろ試した勉強法の中で特に効果的だった方法をご紹介していきます。
英語の勉強を始める前に
インプットもアウトプットも大事
英語は日本語と同じで、覚えて(インプット)使って(アウトプット)を繰り返しながら習得していくもの。
覚えた文法や単語、フレーズなどをどんどん使いつつ、知識を追加して使い倒すというサイクルを続ける内に徐々に会話が成り立つようになってきます。
のびしろを見つける
英会話には文法も語彙力も発音も度胸も必要。
自分の現状を把握して、弱点を強化すると上達するスピードがアップします。
「全部苦手だからどうしよう?」という時は、基本の文法・構文、最低限の単語(発音も)から初めてアウトプットしつつ、知識を追加していくと自信がついてきます。
毎日英語に触れる
言葉は毎日使うのが一番。もちろん英語も同じです。
間をあけると忘れるし、口が回らないし、切羽詰まった状況でもない限り他の誘惑に負けちゃいます。
なにか強いモチベーションがあるのが一番ですが、そうでもない時はルーティーン化するのがおすすめです。
英語学習には波がある
第二言語というものはおかしなもので「上達したなぁ!」と感じる時期、「横ばいだなぁ」と思う時期、「あぁ、マジ無理」とガッカリする期間が波のように来ます。
でも、後から振り返ると確実に上達していることに気付くので、淡々と学び続けるのが大事だなと実感してます。
文法の学び方
と思いがちですが、なんだかんだ言って土台は大事。
日本人でも小学校から日本語の文法を習ってきたおかげで、どんな場面でも自由自在に日本語を使えています。
ここでは、使える表現を増やすために効果的な文法の学び方を見ていきましょう。
忘れている文法を見直す
文法がわかっていると、伝えられる内容と理解できる内容が格段に増えます。(誤解も減る)
ネイティブの英語を聞いた時に「あの文法だ!こんな風にも使えるんだ。」と感じることも多いです。
文法は中高で飽きるほどやりましたが、もし、あやふやな箇所があったら復習する価値は大あり。
復習する時は、わかりやすい文法の本を1冊持っておくと重宝します。
私が使っているのは、語学学校の先生達が絶賛していた「English Grammer in Use」(文法を英語で説明してある)。
日本語で書かれた文法の本なら、「エバーグリーン」がわかりやすいと評判です。
映画や本などの表現で「?」と思った文法は、調べるクセを付けるのがおすすめ。
例えば、
「なんでここは『would』を使うんだろ?」とか、
「なんでここは『will』じゃなくて『be going to』なんだろ?」とか、
一通り勉強していてもイマイチ腑に落ちてない所は出てくるので、その都度解決していくとスッキリします。
もちろん、例文を見て声に出して発音することもお忘れなく。
よく使う構文をストックする
構文は文法の一部で、文を作る時のテンプレート。まさに、救世主です。
言葉が劇的に早く出るようになるので、よく使われる構文をストックしておいて損はありません。
例えば、
- 「It’s 形容詞 to ~:(〜するのは形容詞だ)」
- 「主語 used to ~:(以前は(よく)〜していた)」
- 「主語 is too 形容詞 to ~」:(形容詞すぎて〜できない)」
- 「Do you want me to ~(〜しようか?)」
- 「Would you mind ~ing/if(~してもいいですか?)」
- 「I can’t wait to~(~が楽しみ)」
のような構文を覚えておけば、〜の部分を置き換えて使い回すだけ。
- It’s fun to play with my dog.(愛犬と遊ぶのは楽しい)/It’s easy to make cup noodles.(カップ麺を作るのは簡単だ)
- He used to work at a bookstore.(以前、彼は本屋で働いていた)/I used to go camping every year.(以前は毎年キャンプに行っていた)
- It’s too big to wear.(大きすぎて着れない)/I’m too busy to garden.(忙しすぎて庭いじりができない)
- Do you want me to
[ do the dishes? (お皿洗おうか?)/ turn the TV on?(テレビつけようか?)] - Would you mind
[ if I open the window?(窓を開けても構いませんか?) / giving me a hand?.(手伝っていただけませんか?).] - I can’t wait to
[ see you.(会うのが楽しみです) / hear from you.(連絡待ってます)]
構文を覚える時は、例文を必ずチェック。自分の言葉に置き換えながら声に出して練習すると効果的です。
構文は文法の本だけでなく、ネット上にもたくさんあるので検索してみてください。(特にYouTubeがおすすめ)
お役立ちフレーズをストックする
特定の場面で使える表現も役に立ちます。
例えば、旅行でよく使う表現、ビジネスで使う表現、日常生活でよく使う表現など、場面に合わせたフレーズを声に出して練習しておくと会話がスムーズになります。
場面別のお役立ちフレーズは、YouTubeにもたくさん上がっていて、ドラマやアニメ、映画のシーンから生きた表現を学ぶことも可能。英語アプリなどを使って効率的に勉強することもできます。
単語の学び方
学生の頃、単語や熟語のテストほど鬱陶しいものはなかったですが、あの頃やらされておいてよかったのかもしれません(笑)
単語や熟語を知っているほど、伝えることも、意味を理解して聞き取ることも楽になります。
単語を復習&覚え続ける
英単語は漢字と同じで量が膨大。忘れている単語を復習しつつ、その都度新しい単語を覚えていくことになります。(ネイティブも知らない単語はたくさんある)
単語を勉強する時に絶対効果的だと感じるのはこちらです。
- 意味と一緒に言葉の核になる概念や語源をチェック。
- 意味は英語でも調べる。
- 必ず例文(使い方)をチェックする。
- 類語をチェックする。(言葉のニュアンスが分かる)
- 発音記号をチェックする。
- 実際に聞いて声に出して発音する。
- 覚えた単語を使い倒す。
単語を単語帳で勉強する時は、必ず発音記号と音声でチェック。音声は、YouGlishというサイトで単語を入力すれば、いろんな人の発音が聞けます。
その他、YouTubeなどにも「よく使う単語のまとめ」的な投稿がたくさんあるので活用できます。
いろんな例文を見たい時は「単語 example sentences」などで検索してみてください。
熟語を使えるようにする
熟語(phrasal verb)は2語以上の単語が合わさってできた表現。生活の中にあふれていて、単語と同じくらい大事です。
例えば、「look after(世話をする)」「look for(探す)」「put on(着る/装う)」「put away(かたづける)」などたくさんあり、会話の中に頻発。
同じ単語にいろんな前置詞がくっついていることが多く、混乱しまくります。
こんなややこしい熟語との付き合い方はこんな感じです。
- 前置詞をイメージ化する。
- 絶対に例文(使い方)を見る。
- 自分で何個も文を作って声に出して発音。
- とにかく使い倒す。
前置詞のイメージ化は本当におすすめ。「前置詞 イメージ」「前置詞 イラスト」で検索すると、わかりやすいイラストがたくさん出てくるのでチェックしてみてください。
定番の表現を覚える
英語には単語が集まった定番の表現がいくつもあり、これをたくさん知っておくとすごく便利です。
例えば、「the day after tomorrow(明後日)」「do the dishes(お皿を洗う)」「drive home(車で帰る)」「Let’s get started(さぁ始めましょう)」など。
「ハッピーバースデー」や「ハッピーニューイヤー」のように、考えなくても口から出てくる状態にしておくと英語の難易度が一気に下がります。
さらに、「do the laundry(洗濯をする)」「drive to work(車で会社へ行く)」などのように一部を変えて使い回せるようになれば最高です。
発音の学び方
英語には単語1つ1つに強弱があり、文全体もリズミカル。日本語にはない発音も山ほどあります。
日本人なら外国の人に「ありぎゃーとっ」と言われても、「ありがとう」と言っていることがわかりますが、英語だと微々たる違いでわかってもらえないことがあります。
日本語で例えるなら「ありがとう」と「ありがとー」は全然違うと言われるような感じです。
ということで、発音は最初からなんとかしておくに限ります。(できれば中学でやっときたかった)
カタカナに変換しない
英単語の発音は発音記号で覚えるのが一番です。
「えっ?耳で聞けばいいじゃん!」と思うかもしれませんが、どれだけ聞いても区別できない音は多々あります。
例えば、「LとR」「BとV」「thとs」などは定番。それに加えて、母音が超曲者です。
英語の母音は日本語の母音と違う音の方が多く、「ア」の発音などは何種類もあります。
例えば、「bag[bæɡ](かばん)」と「bug[bʌ́g](虫)」の「ア」はほぼ同じに聞こえますが、ネイティブからすると全く違う音。
実際に、コンビニのレジで手提げ袋(bag)をお願いしたら、「えっ?む..虫(bug)?なんかの餌?」というやり取りになったこともあります。
日本語のクセで「ア」に近い音は自動的に日本語の「ア」に変換され、「オウ」の音は「オー」に変換されるというような現象が起こるので、英語の発音記号と英語にしかない発音は最初に知っておくのがベストです。
苦手な発音の練習には、さっきも紹介した「YouGlish」が重宝。
グーグルの音声検索やSiriもシビアに判定してくれます(苦笑)
ちなみに、発音の解説といえばだいじろーさんのYouTubeが最強です。
つながる音に慣れる
英語のややこしい所は、前後の単語が繋がって発音されること。
例えば、こんな感じ。
英語:キャナイ ハヴァ ペン プリーズ?
日本語の発音:キャン アイ ハヴ ア ペン プリーズ?
この他にも、「I got it(わかった)」が「アガレッ」と聞こえたり、「Tell her(彼女に伝えて)」が「テラー」に聞こえたりと、非常に聞き取りにくいです。
つながる音は、何回も聞いて繰り返し声に出して練習するのが一番。音声を追いかけるように真似をするシャドウイングも効果的です。
シャドウイングの動画はYouTubeにたくさんあり、スクリプト付きで動画が見れるTEDもいい練習になります。
英語のリズムに慣れる
英語は単語の中にも文中にも強弱があって、とてもリズミカル。
平坦な日本語の話し方とは全然違うので、ここでもシャドウイングが役立ちます。
- 単語のどこにアクセントがあるか。
- 文の中で強調されている部分はどこか。
- 文の中で弱くササッと流れる部分はどこか。
- 音のつながりはどうなっているか。
に関心を向けつつ、聞いた通りに何度も何度も声に出すのが上達への道。
ラップの練習をする感覚で、ジャスチャーや体の動きをつけると楽しいです。
シャドウイングにはコツがある
と思っていたら、撃沈されたことがあります。
今思えば効果的なシャドウイングをするには、こちらの要素が必要です。
- 自分に合ったのレベルの動画(音声)
- 字幕(オン・オフ可能)
- スピードの調節機能
そして、こんな感じで練習し始めたら、効果を感じられるようになりました。
- 字幕なしで何回か聞く。(意味がわかるか/単語が全部聞き取れるかチェック)
- 字幕をオンにしてチェック。
- 聞き取れなかった箇所を特定。
- 必要ならスピードを落として練習。
- 普通のスピードで練習。
- 聞き取れなかった理由が知らない表現だった場合はメモって使えるようにする。
教材はTEDでも映画やドラマでもいいですが、英語に慣れるまではわかりやすい動画で何回も繰り返して練習するのがおすすめ。
YouTubeの「Rupa sensei」や「ニック式英会話」では映画のシーンがわかりやすく解説されています。
言葉の他に真似したいこと
会話する時は言葉以外の要素も大事。
動画などで英語を勉強している時に、こんなことにも注目してみてください。
表情やしぐさ
話す時の表情やしぐさ、声のトーンは思った以上にインパクトがあります。
映画や海外ドラマを見ていると「こんな表情とジェスチャーなんだぁ」とか「同じ言葉でも言い方で変わるなぁ」などの発見があるので、観察してみるとおもしろいです。
言葉に感情が加わると、伝わり度が一気にアップします。
相づちの打ち方
日本人同士だと割と頻繁に相づちを打つことが多いですよね。
ところが、英語圏の人は日本人ほど相づちを打ちません。
映画やドラマなどで、相づちの仕方や間隔をチェックしてみるとおもしろいです。
英語のアウトプットの方法
言葉は実際に使うのが大事。
知識はあるのに使い惜しんでいてはもったいない!
覚えたことを使えば使うほど自然に出てくるようになるし、自信も湧いてきます。
さっそく、アウトプットの仕方を見ていきましょう。
英語で独り言を言う
声に出して独り言を言うのはとても効果的。見たもの、していること、考えていることなどを言葉にする習慣は最強です。
お題は今日の予定でも、ご飯の感想でも、料理の実況でもなんでもあり。大統領選に出るつもりでスピーチをしてもOKです。
会話だと緊張して黙ってしまう場合でも、独り言ならお構いなし。英語を口から出す練習なので、間違っても問題ありません。
日本語のようにペラペラ話せずもどかしいですが、それが独り言の最大のメリット。表現の仕方を調べて使えるようにするチャンスです。
ちなみに、Otter.aiというアプリを使えば、自分が話したことを即座に文字起こししてくれて、音声も聞けるので重宝します。(月600分の録音まで無料)
という時は、「瞬間英作文」で検索するとお題が出てくるので、試してみるのもあり。こちらは、瞬発力をつけるのにバッチリです。
英語で日記を書く
英語で日記を書く時は、調べながらでも自力で書き上げ、声に出して読むのがおすすめ。
調べ方はネット検索でもいいし、話題のチャットGPTも最強。
チャットGPTなら自分で書いた英文の添削をしてもらったり、いろんな表現に書き換えてもらうこともできます。
「でも、合ってるのか心配だな」という時は、英会話レッスンと併用して先生に聞くのもいい方法。
日記には自分が言いたいことが詰まっているので、自分に関係のない言い回しを覚えるよりもよっぽど役立ちます。
英会話レッスンを使う
英会話レッスンの最大の魅力は、英語で人と話す度胸がつくこと。発音を直してもらったり、質問ができるのも大きなメリットです。
実際に会話が成立すると自信がつき、逆に通じなかったらその場で解決することが可能。
今はオンラインで世界中の先生と繋がれるので、わざわざスクールに通う必要はありません。
こちらは、評判のいいオンライン英会話の一例です。
- Cambly(キャンブリー)
講師が全員ネイティブ - ネイティブキャンプ
25分までのレッスンが無制限で受講可能(ライトプラン除く) - レアジョブ英会話
オンライン英会話の老舗。日本人カウンセラーのサポートあり。
英会話レッスンではガツガツ行く
受け身のレッスンほど退屈でもったいない物はないので、せっかく受けるならガツガツ行きましょう。
個人的にはテキストを使わないレッスンがおすすめ。ビギナーの方ならバイリンガルの先生を選ぶのもいいと思います。
レッスンを最大限に使い倒すポイントはこちらです。
- 毎回、話す内容・質問を自分で用意する。
- 下調べして、話す練習をしておく。(独り言でリハーサル)
- わからないこと(表現でも発音でも)は必ず聞く。何回でも聞く。
- 学んだことはメモして、使えるようになるまで練習する。
- 新しく覚えた表現を使う。
- 心地よく会話できる先生を選ぶ。
英語日記の添削を頼んで、自然な表現を学ぶのもおすすめです。
おわりに
言語学習は幅広く奥深いので学びが終わることはありません。ただ、コツコツやっていると必ず伸びます。
正直、第2言語を操るのは大変。覚えて使ってを繰り返しながら徐々に身につけていきましょう。(私も現在進行系です)